ヨエル書1-3 ; 黙示録5

ヨエル書

第1章

1:1ペトエルの子ヨエルに臨んだ主の言葉。
1:2老人たちよ、これを聞け。
すべてこの地に住む者よ、
耳を傾けよ。
あなたがたの世、またはあなたがたの先祖の世に
このような事があったか。
1:3これをあなたがたの子たちに語り、
子たちはまたその子たちに語り、
その子たちはまたこれを後の代に語り伝えよ。
1:4かみ食らういなごの残したものは、
群がるいなごがこれを食い、
群がるいなごの残したものは、
とびいなごがこれを食い、
とびいなごの残したものは、滅ぼすいなごがこれを食った。
1:5酔える者よ、目をさまして泣け。
すべて酒を飲む者よ、
うまい酒のゆえに泣き叫べ。
うまい酒はあなたがたの口から断たれるからだ。
1:6一つの国民がわたしの国に攻めのぼってきた。
その勢いは強く、その数は計られず、
その歯はししの歯のようで、
雌じしのきばをもっている。
1:7彼らはわがぶどうの木を荒し、
わがいちじくの木を折り、
その皮をはだかにして捨てた。
その枝は白くなった。
1:8あなたがたは若い時の夫のために
荒布を腰にまとったおとめのように泣き悲しめ。
1:9素祭と灌祭とは主の家に絶え、
主に仕える祭司たちは嘆き悲しむ。
1:10畑は荒れ、地は悲しむ。
これは穀物が荒れはて、
新しい酒は尽き、油も絶えるためである。
1:11小麦および大麦のために、
農夫たちよ、恥じよ、
ぶどう作りたちよ、泣け。
畑の収穫がうせ去ったからである。
1:12ぶどうの木は枯れ、いちじくの木はしおれ、
ざくろ、やし、りんご、野のすべての木はしぼんだ。
それゆえ楽しみは人の子らからかれうせた。
1:13祭司たちよ、荒布を腰にまとい、泣き悲しめ。
祭壇に仕える者たちよ、泣け。
神に仕える者たちよ、
来て、荒布をまとい、夜を過ごせ。
素祭も灌祭も
あなたがたの神の家から退けられたからである。
1:14あなたがたは断食を聖別し、
聖会を召集し、長老たちを集め、
国の民をことごとくあなたがたの神、主の家に集め、
主に向かって叫べ。
1:15ああ、その日はわざわいだ。
主の日は近く、
全能者からの滅びのように来るからである。
1:16われわれの目の前に食物は絶え、
われわれの神の家から
喜びと楽しみが絶えたではないか。
1:17種は土の下に朽ち、倉は荒れ、
穀物がつきたので、穀倉はこわされる。
1:18いかに家畜はうめき鳴くか。
牛の群れはさまよう。
彼らには牧草がないからだ。
羊の群れも滅びうせる。
1:19主よ、わたしはあなたに向かって呼ばわる。
火が荒野の牧草を焼き滅ぼし、
炎が野のすべての木を焼き尽したからである。
1:20野の獣もまたあなたに向かって呼ばわる。
水の流れがかれはて、
火が荒野の牧草を焼き滅ぼしたからである

第2章

2:1あなたがたはシオンでラッパを吹け。
わが聖なる山で警報を吹きならせ。
国の民はみな、ふるいわななけ。
主の日が来るからである。
それは近い。
2:2これは暗く、薄暗い日、
雲の群がるまっくらな日である。
多くの強い民が
暗やみのようにもろもろの山をおおう。
このようなことは昔からあったことがなく、
後の代々の年にも再び起ることがないであろう。
2:3火は彼らの前を焼き、炎は彼らの後に燃える。
彼らのこない前には、
地はエデンの園のようであるが、
その去った後は荒れ果てた野のようになる。
これをのがれうるものは一つもない。
2:4そのかたちは馬のかたちのようであり、
その走ることは軍馬のようである。
2:5山の頂でとびおどる音は、
戦車のとどろくようである。
また刈り株を焼く火の炎の音のようであり、
戦いの備えをした強い軍隊のようである。
2:6その前にもろもろの民はなやみ、
すべての顔は色を失う。
2:7彼らは勇士のように走り、
兵士のように城壁によじ登る。
彼らはおのおの自分の道を進んで行って、
その道を踏みはずさない。
2:8彼らは互におしあわず、おのおのその道を進み行く。
彼らは武器の中にとびこんでも、身をそこなわない。
2:9彼らは町にとび入り、城壁の上を走り、
家々によじ登り、盗びとのように窓からはいる。
2:10地は彼らの前におののき、天はふるい、
日も月も暗くなり、星はその光を失う。
2:11主はその軍勢の前で声をあげられる。
その軍隊は非常に多いからである。
そのみ言葉をなし遂げる者は強い。
主の日は大いにして、はなはだ恐ろしいゆえ、
だれがこれに耐えることができよう。
2:12主は言われる、
「今からでも、あなたがたは心をつくし、
断食と嘆きと、悲しみとをもってわたしに帰れ。
2:13あなたがたは衣服ではなく、心を裂け」。
あなたがたの神、主に帰れ。
主は恵みあり、あわれみあり、
怒ることがおそく、いつくしみが豊かで、
災を思いかえされるからである。
2:14神があるいは立ち返り、
思いかえして祝福をその後に残し、
素祭と灌祭とを
あなたがたの神、主にささげさせられる事はないと
だれが知るだろうか。
2:15シオンでラッパを吹きならせ。
断食を聖別し、聖会を召集し、
2:16民を集め、会衆を聖別し、
老人たちを集め、幼な子、乳のみ子を集め、
花婿をその家から呼びだし、
花嫁をそのへやから呼びだせ。
2:17主に仕える祭司たちは、
廊と祭壇との間で泣いて言え、
「主よ、あなたの民をゆるし、
あなたの嗣業をもろもろの国民のうちに、
そしりと笑い草にさせないでください。
どうしてもろもろの国民に、
『彼らの神はどこにいるのか』と
言わせてよいでしょうか」。
2:18その時主は自分の地のために、ねたみを起し、
その民をあわれまれた。
2:19主は答えて、その民に言われた、
「見よ、わたしは穀物と新しい酒と油とを
あなたがたに送る。
あなたがたはこれを食べて飽きるであろう。
わたしは重ねてあなたがたに
もろもろの国民のうちでそしりを受けさせない。
2:20わたしは北から来る者をあなたがたから遠ざけ、
これをかわいた荒れ地に追いやり、
その前の者を東の海に、
その後の者を西の海に追いやる。
その臭いにおいは起り、その悪しきにおいは上る。
これは大いなる事をしたからである。
2:21地よ恐るな、喜び楽しめ、
主は大いなる事を行われたからである。
2:22野のもろもろの獣よ、恐るな。
荒野の牧草はもえいで、木はその実を結び、
いちじくの木とぶどうの木とは豊かに実る。
2:23シオンの子らよ、
あなたがたの神、主によって喜び楽しめ。
主はあなたがたを義とするために秋の雨を賜い、
またあなたがたのために豊かに雨を降らせ、
前のように、秋の雨と春の雨とを降らせられる。
2:24打ち場は穀物で満ち、
石がめは新しい酒と油とであふれる。
2:25わたしがあなたがたに送った大軍、
すなわち群がるいなご、とびいなご、
滅ぼすいなご、かみ食らういなごの食った年をわたしはあなたがたに償う。
2:26あなたがたは、じゅうぶん食べて飽き、
あなたがたに不思議なわざをなされた
あなたがたの神、主のみ名をほめたたえる。
わが民は永遠にはずかしめられることがない。2:27あなたがたはイスラエルのうちに
わたしのいることを知り、
主なるわたしがあなたがたの神であって、
ほかにないことを知る。
わが民は永遠にはずかしめられることがない。
2:28その後わたしはわが霊を
すべての肉なる者に注ぐ。
あなたがたのむすこ、娘は預言をし、
あなたがたの老人たちは夢を見、
あなたがたの若者たちは幻を見る。
2:29その日わたしはまた
わが霊をしもべ、はしために注ぐ。2:30わたしはまた、天と地とにしるしを示す。すなわち血と、火と、煙の柱とがあるであろう。2:31主の大いなる恐るべき日が来る前に、日は暗く、月は血に変る。2:32すべて主の名を呼ぶ者は救われる。それは主が言われたように、シオンの山とエルサレムとに、のがれる者があるからである。その残った者のうちに、主のお召しになる者がある。

第3章

3:1見よ、わたしがユダとエルサレムとの幸福をもとに返すその日、その時、3:2わたしは万国の民を集めて、これをヨシャパテの谷に携えくだり、その所でわが民、わが嗣業であるイスラエルのために彼らをさばく。彼らがわが民を諸国民のうちに散らして、わたしの地を分かち取ったからである。3:3彼らはわが民をくじ引きにし、遊女のために少年をわたし、酒のために少女を売って飲んだ。
3:4ツロとシドンよ、ペリシテのすべての地方よ、おまえたちは、わたしとなんのかかわりがあるか。おまえたちはわたしに報復をしようとするのか。もしおまえたちがわたしに報復しようとするなら、わたしは時をうつさず、すみやかに、おまえたちのおこないの報復をおまえたちの頭上にこさせる。3:5これはおまえたちがわたしの銀と金とをとり、わたしの貴重な宝をおまえたちの宮に携え行き、3:6またユダの人々とエルサレムの人々とをギリシヤびとに売って、その本国から遠く離れさせたからである。3:7見よ、わたしはおまえたちが売ったその所から彼らを起して、おまえたちのおこないの報復をおまえたちの頭上にこさせる。3:8わたしはおまえたちのむすこ娘たちをユダの人々の手に売る。彼らはこれを遠い国びとであるシバびとに売ると、主は言われる」。
3:9もろもろの国民の中に宣べ伝えよ。
戦いの備えをなし、
勇士をふるい立たせ、
兵士をことごとく近づかせ、のぼらせよ。
3:10あなたがたのすきを、つるぎに、
あなたがたのかまを、やりに打ちかえよ。
弱い者に「わたしは勇士である」と言わせよ。
3:11周囲のすべての国民よ、
急ぎ来て、集まれ。
主よ、あなたの勇士をかしこにお下しください。
3:12もろもろの国民をふるい立たせ、
ヨシャパテの谷にのぼらせよ。
わたしはそこに座して、
周囲のすべての国民をさばく。
3:13かまを入れよ、作物は熟した。
来て踏め、
酒ぶねは満ち、石がめはあふれている。
彼らの悪が大きいからだ。
3:14群衆また群衆は、さばきの谷におる。
主の日がさばきの谷に近いからである。
3:15日も月も暗くなり、星もその光を失う。
3:16主はシオンから大声で叫び、
エルサレムから声を出される。
天も地もふるい動く。
しかし主はその民の避け所、
イスラエルの人々のとりでである。
3:17「そこであなたがたは知るであろう、
わたしはあなたがたの神、主であって、
わが聖なる山シオンに住むことを。
エルサレムは聖所となり、
他国人は重ねてその中を通ることがない。
3:18その日もろもろの山にうまい酒がしたたり、
もろもろの丘は乳を流し、
ユダのすべての川は水を流す。
泉は主の家から出て、
シッテムの谷を潤す。
3:19エジプトは荒れ地となり、エドムは荒野となる。
彼らはその国でユダの人々をしえたげ、
罪なき者の血を流したからである。
3:20しかしユダは永遠に人の住む所となり、
エルサレムは世々に保つ。
3:21わたしは彼らに血の報復をなし、
とがある者をゆるさない。
主はシオンに住まわれる」。


黙示録

第5章

5:1わたしはまた、御座にいますかたの右の手に、巻物があるのを見た。その内側にも外側にも字が書いてあって、七つの封印で封じてあった。5:2また、ひとりの強い御使が、大声で、「その巻物を開き、封印をとくのにふさわしい者は、だれか」と呼ばわっているのを見た。5:3しかし、天にも地にも地の下にも、この巻物を開いて、それを見ることのできる者は、ひとりもいなかった。5:4巻物を開いてそれを見るのにふさわしい者が見当らないので、わたしは激しく泣いていた。5:5すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」。
5:6わたしはまた、御座と四つの生き物との間、長老たちの間に、ほふられたとみえる小羊が立っているのを見た。それに七つの角と七つの目とがあった。これらの目は、全世界につかわされた、神の七つの霊である。5:7小羊は進み出て、御座にいますかたの右の手から、巻物を受けとった。5:8巻物を受けとった時、四つの生き物と二十四人の長老とは、おのおの、立琴と、香の満ちている金の鉢とを手に持って、小羊の前にひれ伏した。この香は聖徒の祈である。5:9彼らは新しい歌を歌って言った、「あなたこそは、その巻物を受けとり、封印を解くにふさわしいかたであります。あなたはほふられ、その血によって、神のために、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から人々をあがない、5:10わたしたちの神のために、彼らを御国の民とし、祭司となさいました。彼らは地上を支配するに至るでしょう」。
5:11さらに見ていると、御座と生き物と長老たちとのまわりに、多くの御使たちの声が上がるのを聞いた。その数は万の幾万倍、千の幾千倍もあって、5:12大声で叫んでいた、
「ほふられた小羊こそは、
力と、富と、知恵と、勢いと、ほまれと、栄光と、
さんびとを受けるにふさわしい」。
5:13またわたしは、天と地、地の下と海の中にあるすべての造られたもの、そして、それらの中にあるすべてのものの言う声を聞いた、
「御座にいますかたと小羊とに、
さんびと、ほまれと、栄光と、権力とが、
世々限りなくあるように」。
5:14四つの生き物はアァメンと唱え、長老たちはひれ伏して礼拝した。


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